反省文

    またひとつ、曲が私の手を離れた。いや、もうかなり前から離れていたような気もするが、事実として離れた。

 

    疲労を抱えた状態で、甘味を食し、流れるように閉園前の寺院に駆け込んだ。眺めだけで癒しを得る体験は稀だった。「文化って大事やな」などと何もわかってないテキトーな上辺だけの会話で盛り上がったあと友人と別れ、地元の大して美味くはないラーメン屋でその美味しくなさを確認した。でもこれが味わいたかったので満足して帰宅した。

 

    曲をもっと自分の身体に馴染ませることができたら、音を自分の身体のように操ることができたら、今日みたいな演奏はしないで済むようになるのだろうか。いつまでも他人のせいにして自分に厳しくしない。そんな奴から出力される音を誰が聴きたいだろうか。音づくりをするには生き方を再構築しなければ。

 

    褒められるのがすごく苦手だ。今日ははじめましての人がたくさん褒めてくれた。ありがたいとは思う。ただ、自己満足すらできていないものを褒められるのに納得がいかない。なんて社会性の無い奴だ。謙虚で礼節を欠かない推しだったらこんな時はなんて言うんだろう。

 

    またすぐ向き合わないといけない楽譜がある。こんな情けない文を書くのはそろそろやめにしたい。